それにしても…………


「ってか、剛も何でパジャマを着てないの?」

「2人で寝たから暑かったんだ。」

「私はソファーで良かったのに。」

「別にベッドで寝れるし問題ない。」

「…………。」


戻ってきた剛からTシャツを借りた。


「剛、もう帰るから。」

「慌てる必要はないだろ。」

「帰ります。お世話になりました。」

「車で送る。飯でも食ってこうぜ。」

「…………ありがとう。」


ここは素直にお礼を言うべきだろう。

車で送ってくれるのは凄く助かる。

着替えようと服を持っているが、背後から剛の気配が消えない。

振り返って剛を見上げた。


「剛、着替えたいから。」

「どうぞ。」

「あっちを向いてて。」

「恥ずかしいのかよ。」


そう言いつつもリビングに消えていく剛に、急いで服を着替えた。

初めて来た剛の部屋を見渡しながら、リビングの方へ歩いていく。

私の部屋より確実に広い。

リビングも広めだし、寝室も別にある。キッチンもカウンターキッチンでお洒落だ。

整頓された部屋に剛をチラリと見れば、目が合ってしまった。