地中海を大きなクルーザーで航行して甲板でトップレスでキスする姿をヘリでパパラッチされるとか、どこかの孤島のビーチで二人だけで2週間過ごしていたとか、おねだりされてヨーロッパの小さな古城をプレゼントしたとか。
しかもそれが全部違う女性相手というのがすごい。

「・・・そんな情報をどこで仕入れてくるんだい?確かユイコは忙しいからって僕とのデートを断っていたんじゃなかったの?」

「あら、もちろん忙しかったからあなたからのお誘いをお断りしてたのよ。でも、ここに来る時にタクシーの中でネットを見たらここ数日間のあなたの動向がどんどん出てくる出てくる・・・マスコミってすごいわよね」

私はにっこりとほほ笑んだ。

「ユイコ・・・それジェラシーかい?嬉しいな。それならいっそのこと、今ここで婚約を発表してしまおうか」

「婚約って誰の?」

「もちろん、僕とユイコの」

はい?
ええーっと。
「エディ、日本に来て何か悪いものでも食べたの?」

「いいや」
悪魔のような笑顔で私を見下ろしてくる。
冗談で言っていい話ではない。

「エディー、ニコラスはどこ?ね、あなたの秘書のニコラスは」

さっきまで頬がひくついていたのに完全に体勢を立て直しフェロモンダダ漏れの笑顔を浮かべて私の肩に触れてくるエディーを押しのけた。

形勢逆転だ。まずい。
今度は私の頬がひくつき始める。