「天宮さん!」


「え?あっ、立花先輩?どうかしましたか?」


「もうみんな帰ったから、帰らないのかなって思って。なんか用事?」


「いえ…ただ、今日の委員会の内容をメモしとこうかなって思って…」


理由を言ったのに、先輩は帰ろうとしない。


「立花先輩?先帰っててください。」


「ううん。もう6時だし…一年生だし送るよ?」


今日は、入学式と、新歓があって、学校自体は四時くらいに終わった。


「もうそんなにたってたんだ…」


思わず出た声に、私はハッとした。


これって送ってって言ってるようなもんだから。


「うん。だから送る。家、どこ?」


「えっと、歩いて30分くらいです」


「結構遠いんだ…。これから毎日歩き?」


「はい。」


「頑張って!」


先輩はニコッと笑ってこっちを見た。


「ありがとうございます」


ドキッとしたのは…


きっと気のせい。