「今頃2人は委員会中か…」


毎回恒例の、頼んだ後の後悔。


でも、委員会が近づくと、峻輝先輩と会いたくなくて頼んでしまう。


「はぁ…」


大きなため息をついて、重たい足を一歩進めた。


「天宮!」


「へ?」


振り向くと、そこに立っていたのは洸先輩。


「先輩、どうしたんですか?」


なるべくなにも察されないよう、明るい声で返した。


「どうしたって…。お前最近委員会休んでるんだろ?峻輝が心配してたけど?」


峻輝先輩が心配してくれていると聞いて、すこし口角が上がったのが分かった。


「え?立花先輩が?」


「ああ」


「気にしないでって言っといて下さい。」


「なんで何もないのに委員会休んでるんだ?」


「先輩には関係ないです。」


そう言うと、先輩は私を睨んだ。


「は?お前さ、自分のすべきことぐらいちゃんとやれよ。つまりサボりってことだろ。理由もなく」


「サボりじゃない!!」


思ったよりも大きな声が出て、自分でもびっくりした。


「じゃ、なんで休んでるんだ?」


先輩の声が、すこし柔らかくなったように感じた。


「それは…」


「ん?」


「私、たっ立花先輩が好きなんです。でも、光も先輩のことが好きで…光のことだけを名前で呼んでるのを見ると、苦しくなって。2人が仲良くなって行く姿を見たくないんです。でも私は…光と友達をやめたくないから…」


話を聞いていた先輩は、


「つまりお前は、峻輝が好きだけど、雀部も峻輝が好きで、雀部と友達をやめたくないから、応援してるってこと?」


と言った。