昨日、先輩を好きと自覚して、ドキドキし過
ぎて眠れなかった。


「昨日は突然帰ってごめんね?」


光のその言葉にも、ぼーっとし過ぎて曖昧に返した。


「…美琴って好きな人いる?」


「え!!!いっいないよ!」


今まで光が好きな人の話をしてきたことはない。だから余計びっくりして、思わず嘘を言ってしまった。


「そっか。だよね!変なこと聞いてごめんね?」


心底安心したという様子の光を見て、胸が痛んだ。


「美琴!遅れるかも!」


「え!」


やっと我にかえった私は急ぎ足で登校した。