でも、忘れていた。

母が残してくれた大事な大事な僕の妹。

病院に赤ちゃんを見に行こうといい、嫌がる姉と弟を引き連れて病院へ向かった。

向かった先は 想像を絶するものだった。

普通、赤ちゃんっていうのは、手や足を動かし回って、泣き叫んだりするものだと思っていた。

僕のそんな考えはすぐに覆された。

両手を合わせたらすっぽりと入ってしまいそうな小さな身体。

泣かず、動かない身体。

沢山の機械が繋がれて痛々しい身体。

普通子供はこんなところに入れない。

でも、僕の妹には両親がいない。

両親の顔も見れずに育つのだ。

今にも消えてしまいそうな小さな命の灯火。

姉も僕も弟もみんな決意した。

「この子を守ろう」と。