【結愛side】


「結愛~!!おはよっ!」

夏輝お兄ちゃんの声がする。

でも、寒くて起き上がれない…

「…ん…なっくん…さむぃ…」

「しかたないなぁ…」

5月。

もう暑くて半袖の人もいるのに、私は体温障害を患っているから、モコモコのパジャマ。

ぼーっとしていると、身体がふわっと浮いた。

「わっ!!」

「あ…ごめんごめん。結愛大丈夫?」

「大丈夫だよ。ごめんね。いつも。」

「いいんだよ。ちょっと我慢しててな」

「うん。」

そう言って階段を降りる。

私の部屋は2階。

この家は地下1階から地上3階まである大きな家だ。

地下1階は主に私のために備えてある医療器具がいっぱい。

もちろんここで治療できる。

1階は家族が集まる場所。
リビングとかトイレとか、お風呂とか色々あるのはここ。

2階は私と陽空お兄ちゃんと夏輝お兄ちゃんの部屋。他はお客様を迎える部屋や会議室、体育館に似た広い部屋などたくさんある。

3階は花音お姉ちゃんと、亡くなった両親の部屋。両親が死んでしまった時からずっとそのままにしてある。