「の……」 「ノー」と断りを考えつつ、(紫苑が急に血迷った)…と思った。 「ノー…サンキューですっ!」 丁寧に「です」まで付けなくて良かった。 予想通りの答えだったのか、紫苑は可笑しそうに笑ってる。 (本当に何を考えてるの、紫苑……) 私達は兄妹みたいに育った幼馴染みよね。 それが付き合う!? ないない。 それだけはないから! 頭の中で全否定して店を出た。 繁華街の生温い空気に触れた途端、アルコールが一遍で抜けた気がした___。