もう少し手の込んだものでもいいよと訊き直す姉に、「そういうのは義兄さんに作ってやれば?」と笑った。
姉はぽっと顔を赤く染めるとそっぽを向いてキッチンへ歩き出す。
俺はその姉の背中を見送る紫苑さんを見ていた。
彼が急に姉と一緒に暮らすと言いに来た時は驚いて、何の冗談かと思ったけど__
「……あんなので良かったの?」
人差し指を姉の背中に向けて訊いた。
紫苑さんは俺を振り返るとニヤッと笑い、「ひでぇな」と一言呟いた。
「だって俺、義兄さんにはもっといい女が付くと思ってたから」
姉が変とかいう訳じゃない。
一応料理も上手いし、それなりに顔もまあまあだとは思う。
でも、もっと上質で高級な相手と結婚するんだろうと思っていた。そういう人とくっ付いてもおかしくはない男なんだ。
紫苑さんは俺の言葉を聞くとプハッと吹き出した。
そういうのもまああったよな、と否定もせず、それでもやっぱり萌音にして良かった…と言った。
「俺はあいつといると肩肘を張らなくて済むからホッとするんだ。慣れ親しんだ間柄だからってこともあるんだろうけど、妙にしっくりくるんだよ」
姉はぽっと顔を赤く染めるとそっぽを向いてキッチンへ歩き出す。
俺はその姉の背中を見送る紫苑さんを見ていた。
彼が急に姉と一緒に暮らすと言いに来た時は驚いて、何の冗談かと思ったけど__
「……あんなので良かったの?」
人差し指を姉の背中に向けて訊いた。
紫苑さんは俺を振り返るとニヤッと笑い、「ひでぇな」と一言呟いた。
「だって俺、義兄さんにはもっといい女が付くと思ってたから」
姉が変とかいう訳じゃない。
一応料理も上手いし、それなりに顔もまあまあだとは思う。
でも、もっと上質で高級な相手と結婚するんだろうと思っていた。そういう人とくっ付いてもおかしくはない男なんだ。
紫苑さんは俺の言葉を聞くとプハッと吹き出した。
そういうのもまああったよな、と否定もせず、それでもやっぱり萌音にして良かった…と言った。
「俺はあいつといると肩肘を張らなくて済むからホッとするんだ。慣れ親しんだ間柄だからってこともあるんだろうけど、妙にしっくりくるんだよ」

