「阻止どころか逆に就職させられちゃったよ」
「しかも紫苑のオフィスに…」と呟き、いつの間に起業してたんだろう…と考え直す。
紫苑は確か、大学を卒業した後プログラマーの仕事をしていた筈だ。
勤めている会社からいろんなオフィスに出向させられて、帰りも毎晩遅い…と紫苑のお母さんが心配していた。
私の母はその話を聞いて、「ブラック企業なんじゃない?」と疑い、「早く転職させた方がいいわよ」と安易なアドバイスをしていた。
その頃の私は大学二年生で、幼い頃とは違い、紫苑の家へ出入りすることも少なくなっていた。
紫苑とは勿論顔を合わせることもほぼなくて、この十年近く、彼が生きてるってこと以外は、あまり眼中にも入れずに生活を送ってきた。
だから、起業してることも今日初めて知ったし、社長だなんて言われても、(あの紫苑が!?)と未だに信じられない気持ちでいる。
でも、貰って帰ったパンフレットを読む限り、紫苑は間違いなく代表取締役として顔写真も載っていて、従業員数は四十人程度と少ないながらも精鋭揃いで、利益と実績も着実に伸びている…と経営状況のグラフが物語っていた。
「しかも紫苑のオフィスに…」と呟き、いつの間に起業してたんだろう…と考え直す。
紫苑は確か、大学を卒業した後プログラマーの仕事をしていた筈だ。
勤めている会社からいろんなオフィスに出向させられて、帰りも毎晩遅い…と紫苑のお母さんが心配していた。
私の母はその話を聞いて、「ブラック企業なんじゃない?」と疑い、「早く転職させた方がいいわよ」と安易なアドバイスをしていた。
その頃の私は大学二年生で、幼い頃とは違い、紫苑の家へ出入りすることも少なくなっていた。
紫苑とは勿論顔を合わせることもほぼなくて、この十年近く、彼が生きてるってこと以外は、あまり眼中にも入れずに生活を送ってきた。
だから、起業してることも今日初めて知ったし、社長だなんて言われても、(あの紫苑が!?)と未だに信じられない気持ちでいる。
でも、貰って帰ったパンフレットを読む限り、紫苑は間違いなく代表取締役として顔写真も載っていて、従業員数は四十人程度と少ないながらも精鋭揃いで、利益と実績も着実に伸びている…と経営状況のグラフが物語っていた。

