幼馴染みと、恋とか愛とか

まだ卒業出来るかどうかは謎だけど…と言うと、彼は小さく笑う。


「大丈夫だよ。蓮也なら」


椅子から立ち上がり俺の方へやって来る。
自分よりも若干背の高い彼の手が肩に置かれ、「頑張れ」と声を掛けられた。


「蓮也が社会人になったら一緒に働けるといいな。お前の努力次第では高収入も夢じゃないよ」


ポンポン、と軽く叩いて笑み浮かべる。
俺はそんな社長の姿を見つめ、心から(この人の元で働きたい!)と思った。


「うん!頑張るっ!」


子供の頃のように返事をすると、くしゃっと髪の毛を撫でられた。

『遠い親戚の従兄弟』みたいだった幼馴染みが、『身近な兄貴』に変わった瞬間だった。

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「それであの時、専門学校への編入を言い出したの?」


姉は呆れるような顔つきでそう訊いた。
俺と紫苑さんは目を配り合わせ、まあそうだな…と頷き合う。


「それならそうと早く言えば…あ、でも、言ってもやっぱり紫苑の部屋には怒鳴り込みに行ったかも」


いずれにしても結果は同じだったか、と呟く姉を義兄になった紫苑さんが優しく見守る。