幼馴染みと、恋とか愛とか

(気のせいかな…?)


着ているスーツの所為だと決めこみ、彼が大人に見えるなんてあり得ない!と頭を左右に振り回す。

けれど、この『CONシステムサービス』というオフィス内で、私はこれから先、紫苑のいろんな顔を初めて見ることになっていくんだ___。


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家に帰ってリビングに置かれてあるアルバムを開いた。

幼い頃の写真が貼られたアルバムには、私と弟と両親の他、紫苑や彼の両親までもが一緒に多く写っている。

私の家(三橋家)と紫苑の家(伊川家)とは以前から付き合いが深く、その関係で小さい頃はお互いの家をしょっ中訪問し合ってた。


私にとって三歳年上の紫苑はお兄ちゃん的存在で、何かあったら助けてくれる便利屋さんみたいな感じだった。


伊川の両親も「何かあったらお兄ちゃん(紫苑)に言ってね」と体良く世話役を任せてるところがあり、おかげで私は安心して、紫苑に我儘を言ったり拗ねたりも出来てた。

だから、いい大人になった今でも変に頼る癖が残ってて、相変わらず便利屋のように思い、蓮也の進学を阻止してくれるように…とお願いに上がったのに。