「ちょっと待ってよ。幾ら何でも急過ぎない!?」


一緒に暮らすってどういうの!?
紫苑の部屋に私が住むの!?


昨日とは別の意味でパニックになってる私を紫苑は面白そうな顔つきで見てる。

そんな私の隣で朝食を食べてた蓮也もププッと吹き出し、「コント?」と笑いながら言い出したから恥ずかしくなった。



「違う。本気だ」


大真面目な表情に変わる紫苑が答え、私は手からトーストを落っことした。

両親も同じくぼうっとしてて、そんな二人に紫苑は深々と頭を下げた。


「この間のようなことが起きないよう、萌音を側に置いて見守りたいんです。順番としては変かもしれないけど、どうか一緒に住まわせて下さい!」


…って、私の部屋に転がり込んでくるつもり!?


どうか断ってー、と願うつもりで父と母に目を向けた。
二人は紫苑をじっと見た後、お互いに視線を合わせて頷き合ってる。



「いいだろう」

「ええ、頼むわ、紫苑君」


「えっ!?」


頼んじゃうの!?


「ねえ、ちょっと」


私の気持ちは無視な訳!?


「……ということだから萌音、出かけるぞ」


「えっ?」