幼馴染みと、恋とか愛とか

口論すると余計な体力を使う。
少し草臥れた…と小さな吐息を漏らした。



「萌音」


紫苑は私に少しだけ近寄った。
だけど、私がビクッと背中を伸ばすのを見て、それ以上は近寄ろうとしてこない。

カップを持ったまま振り向くと中央のデスクの側に立ってて、私は紫苑の全身を目に入れながら「何ですか?」と返事した。


「俺は昨夜からいろいろと考えてたんだ。萌音は昨日、どうしてあそこまで取り乱したのか。あの男が関係ないと言うなら他に何があるのか。あんなに震えて怯えてたのは何故か。どうして俺に頼ろうとはしないのか」


疑問を投げ掛けてくる紫苑に、私は何も言わず目を向けてる。

それらの質問に答えることはつまり、私達の幼馴染みとしての関係も崩れていくことを意味する。

だから……


「言って何になるの?」


訊かないで欲しいと思う気持ちを前面に押し出した。


「紫苑に助けてもらう様なことじゃないからよ。だから別に気にしなくてもいいの」


私の問題なんだから…と言い張る。
紫苑はそれに納得も出来ない様子で、渋い顔つきで睨み続けてたんだけど。