幼馴染みと、恋とか愛とか

「紫苑君が見栄を張りたくないのは分かるけど、私や主人には教えておいて欲しかったわ。

私達は貴方を息子のように思ってるのよ。なのに、起業したことを内緒にするなんて悲しいわ」


残念そうにしながらも、「これからはなんでも話してね」と願う。

紫苑は母に向いて「はい」と少し照れくさそうな顔をして、母はそれを見て嬉しそうに微笑んだ。


私は横になったまま二人の様子を黙って見ていた。

冷やされてる後頭部がジンジンと痛むような気がして、軽く目を閉じると……


「萌音、気分でも悪い?」


母が心配そうに声をかけてくる。
薄く目を開けて「ううん」と声を出すと、紫苑がホッと溜息を吐き出した。


「私は大丈夫だから紫苑……社長もどうぞお仕事に戻って下さい」


それでなくても忙しいのに、いつまでも私のところに居なくてもいい。


そんなつもりで紫苑を見て言った。
紫苑はぎゅっと唇を噛むと私に何かを言おうとしたけど。


「……すみません。それじゃ俺は仕事に戻ります。帰る前には一報下さい。タクシーを呼びますから」