幼馴染みと、恋とか愛とか

「萌音ちゃん」


元気のいい声が聞こえ、目をキョロキョロと動かす。
茶色の瞳が私のことを覗き込んできて、嬉しそうに頬にキスを落とした。

「柔らかい」と笑うと目が細くなり、その小さな腕に抱かれてぎゅっと抱き締められたんだ。


「可愛いなぁ」


その声は本当に嬉々としていて。
私はそれを聞くと母よりも安心して。

きゃっきゃっと声を上げてはしゃいでた気がする。

この腕の中にずっと居たい…と思ってた気もする___………。


________________


「すみません!」


必死に謝る声が聞こえて瞼を開けようとした。

体は動かそうにも動かなくて、手も足もグッタリとして重かった。


「いいのよ、紫苑君。そんなに謝らないで」


慰める声はどうも母のようだ。
だけど、相手は「いいえ」と断り……。


「部下の不始末で萌音が頭を打ち付けることになって、本当にお詫びのしようもありません」


頑な態度に母が小さく息を吐く。
もう一度「いいから」と声をかけ、「気にしないで」と囁いた。