「……き…お…て…」


誰かが、言っている。


私まだ、眠たい。



「お…起きろー」



ビクゥ!


体が、跳ね上がった。



「いつまで、寝てるんだよ!ねぼすけ!さっさと、起きろ!今日は、隣町の子供と、街の子供が、来るんだよ!」



耳が、き----------んと、鳴った。



「はーい。」


とにかく、返事をした。



ウサギのせいで、


目は、覚めてないが、頭が、起きているという不思議な状況に、なった。





ササッと、私は、着替えを済ました。





下では、マッドが、クッキーを作っていた。



いい匂い。


なんか、とっても、甘い匂いがする。


と、咄嗟に、私は、鼻を抑えた。




この臭い………嗅いだことがある気がする。



しかも、本に載っていた、しかも、禁書の本に、載っていた、“見極めの花”の匂いに似ている。




確か…

食べ物に混ぜて使い、その匂いを嗅ぐと、とても、それを食べたくなり、食べたら、死ぬ。でも、選ばれた者なら、死なない。


その匂いは、今までに嗅いだことのないくらい、“甘い匂い”がし、とても、“20歳以下の人が本能から、好む匂い”。



こっっっわ!


恐ろしい!


マッドは、そんなものを、このクッキーに混ぜたのか?




私は、昨日の夜から、決めていた。


本当に、マッドが、私たちを殺そうとしているのか、禁忌の法を、犯そうとしてるのか、本当に、堕人なのか。


これらをまとめて、見分けるために、私は、マッドに、はったりをかける。


ボロを出すまで、何度も。