グリールキャルの図書室は、たくさんの本が、種類豊富に揃えてある。


その為、いろんな人に珍しい本などが取られないために、地下の入口、図書室の入口には、鍵がかけられている。




その鍵を持っているのは、私とマッドだけ。




私は、そっと、図書室の入口を開けた。





まず、過去の新聞を調べるために、新聞が置いてあるところに向かった。






新聞は、過去50年分ぐらいある。




一体、誰が集めたのだろう?




疑問に思うが、すぐに疑問は、消えた。






きっと、先代の神父が、集めたのだろう。





私は、丁度十年前ぐらいの記事を調べ始めた。





イモニール様とあの本の著者のこと。




初めにわかったのは、イモニール様の事。





本名、イモニール・ムシール



五十歳にして、大聖堂の神父になる。



その後の召喚術で召喚されたものに殺される。




それが、ちょうど十年前の、12月29日のできごと。




召喚されたものは、なんだったのだろう?





そして、本の著者。



出てこなかった。



著者の名前がわかれば、簡単だったのだが。



名前がなかった。





そのことは諦めて、私は、本について調べ始めた。






もちろん、扉を召喚する本。







扉、扉、扉。






あ!


あった。





天世界の扉召喚



魔世界の扉召喚




と、もうひとつ。




異世界の扉召喚




これを見つけて、はっとした。





あの夢で見た本!!





本をめくる。




難しい文字で書いているが、やっぱり読める!




そして、私は、本の著者名を見た。





難しい文字。





内容より、難しい。





えーと…





ゆ…ゆぴて…る…秘…アリ…ス





ユピテル・秘・アリス





ユピテルとアリスは、私の名前!




でも、秘、は、なんだろう?





その時、






カタン






と、奥の禁書の棚の方から、音がした!






「誰だ!」






叫び、走る。






禁書の扉は、開いていた。





そこに居たのは、男の人。






私の足音を聞くなり、逃げていった。





読んでいた本も、そのままにして、






「一体、誰だったんだろう?…


この本!



堕天の本!」




ハッとして、口を閉ざす。




堕天の本とは、悪魔と契約をする方法が載っている本。





私は、本をめくる。





悪魔と契約するには、何かを代償とし、悪魔と契約をするしかない。



その代わり、悪魔は契約した者を、主とし、願いを叶える。というものだった。





「誰が…こんな本…」




そして、堕天した人と、堕天していない人の見分け方が載っていた。





堕天した者は、目の色が黒くなる。




黒色と、元の色は、制御できるが、うっかり忘れることが多い。




と、書いてあった。
























































え?じゃ、じゃあ、マッドは?





マッドの目は、黒かった。







いつもは、青なのに。






黒かった。





そして一階瞬きをしただけで、元に戻った。







もしかして、マッドは、





「堕天してる?………」






堕天している人を、




堕人というらしい。



(契悪者とも言う。)




マッドは、その、堕人なのだろうか?