ここは………どこだろう?



見たことのあるような?


無いような?






でも、見たことは、ある気がする。




緑の草原、




ひまわり畑、




目の前には、牛と、ヤギの牧場。





後には、小さな、古びた教会。



グリールキャルより、小さそう。



ところどころ、ボロボロだ。



入って、見ようかな?







『ユピテル様!!!』




中に、入っていくところで呼び止められた。



「早く、こちらに来てくださいませ。」





ダメよ!!ユピテル!!




遠いところで、私の名前を呼ばれた。




見渡してみるが、誰もいない。




すると、ふと見つけた。


草原に、小さな、彼岸花の集団が咲いている。



赤い、彼岸花。





私が彼岸花の咲いてる方をずっと見ていると、




「おやめなさい!」




という声が飛んできた。





優しそうな顔の、老人がそう言った。





「早く馬車にお乗りなさい。」





馬車に?



私は、馬車と、老人を交互に見た。



老人は、「早く。」




と言っていたから、私は、馬車に乗った。




「イモニール様、発車しても、よろしいでしょうか?」



イモニール様と、呼ばれた老人は、ひとつ頷いた。



そこからの、場面は、空間がねじ曲がって飛ばされた。