「きょーーうは、楽しいクリスマス!!」



ハートの女王が、帰ったあとの、帰り道、


ウサギが、そう歌った。


そして、




「ユピならさぁ、神様を出せるんじゃない?…ゼウス様とか!」



「私には、無理だよ。」



「そんなァ…〜〜〜」


まだグチグチ言っているが、私は、何かが頭に引っかかった。


「おぉ、女王は、帰ったか?」


神父のマッドが言った。



「あれ?なんで、片目が黒いの?」



ほんとだ。右目だけ、青→黒になってる。


ハッとしたように、片目をつぶった。


次に目を開けた時は、もう黒くなかった。



「あれ?気のせい?」




その時、



「号外だよ!!大聖堂で、大門出現!!開ける人は、すぐに大聖堂に!!二月まで、受け付けてるらしいよ!!」





新聞売の子がそう叫んだ。


「少年、一枚もらうよ。」



マッドが、言う。



「まいど!」



「雪だァ。」



言葉が消えそうな声で、アリエルが言った。



白い雪がちらほら降ってくる。




「ホワイトクリスマスだな。」








私は、また、立ち止まり考え込んだ。











『大聖堂』










『大門』









『神様』










『ゼウス様』










『クリスマス』









『雪』










『マッド』










『黒い目』








うっ!!





頭が、ズキズキする。




痛みが襲う。




クラっとたちくらみがする。






私は、それに耐えた。





そして、随分先に進んだみんなを追いかけた。