午前中の仕事を終えて
医局に戻ると龍が眉間にしわを寄せて
パソコンをじっと見ていた
「龍」
「あ、お疲れ」
「悠呼び出し無く安定してる?」
「それがさっき目が覚めたって連絡きて
病室いったら熱は下がって
脱水も改善されて意識ははっきりなんだけど
怠さが抜けなくて元気がない感じ
珍しく自分から辛いって言ってきたから
本人かなり辛いと思う
もし少し時間あるなら行ってあげて」
「まじか…分かった
今外来終えてきたから行ってくるわ」
龍に報告を受けて
向かった病室には
ポロポロ涙を流す悠がいた
「悠?どうした」
「と…も……」
「辛いな。遅くなってごめんな」
「ご、めん…ね?」
「なんで謝るの?こんなに辛いのに
こんなに頑張ってて
謝ることなんか1つもないよ
早く楽にしてあげるからね」
零れ落ちる涙を
拭っても拭っても溢れてくる
「悠痛いところある?」
「だる…くて、
ぜんぶ…つかれて……」
「そうだよな
怠いのが辛いよな。我慢してるから
体も余計辛くなってくるよな」
「ちょ…っ…と…」
「ん?どした?」
「気持ち、わるぃ…かも」
「気持ち悪い?
少しベッド上げるよ」
少し上げたベットで
支えながら座らせて背中をさすった
酸素マスクをつけながらも
落ち着かない呼吸で
どんどん気持ち悪くなっちゃったんだな…
安心してくれたのか
少しずつ呼吸が落ち着いてきて
ふと力が抜けたと思ったら
眠りについていた

