本当に少し口にしてからは
手にスプーンは持っているものの
食べようとしない
しかも頭ではご飯以外のことを考えてる
ように見える
「柚」
「え…あ、」
「大丈夫?
ご飯無理しなくていいよ」
「うん…」
そう言って少し俯いた柚の目には
また涙が溜まってる
「柚?泣いていいよ」
「ちがっ…ごめ…」
「俺の前では良いから。
無理しないの」
優しく肩を抱くと
ちがうの…と呟きながら
涙が止まらない柚
心配を掛けないように
口では違うと言いつつも
体は正直で俺の服をぎゅっと握ってる…
やっぱり突然すぎたよな…
しばらく泣き続けて
だんだん力が抜けてきて
静かに眠りについた柚
とりあえず夕飯は下げるか…
柚を横にして布団をかけてから
静かに夕飯を持って部屋を出た