無理やり抱っこされたまま近くに止まってた黒い車の助手席に乗せられて、ヤツが運転席に回ろうとした瞬間に降りてやろうと思ったらいとも簡単に阻止された。
「あんたこんなことして許されると思ってんの?」
「んー。許して?」
「許すわけないでしょう!」
手馴れたように車のキーを挿してまわすコイツに殺意がわく。
ってそんな事考えてる場合じゃない!
降りなくちゃ!!
ガチャガチャと助手席の扉を開けようとした。
ーー開かない。……。
「あ、中からロックしてある。」
ニコッと微笑みながら言ったコイツを本当に殺していいだろうか。
………………。
帰りたい。
急に知らない男と二人っきりの状態に、震えていた身体を思い出した。
ガクガク止まらない。頭では分かっているのに。
