ー「あれ?」
ふいに後ろから届いた声に嫌な予感がした。
お願い!あと五分歩けばうちに付くの!
嫌な予感は当たらないで!
「おねーさん?おねーさんだよね?!」
…嫌な予感が当たった。
ああ、神様なんて信じてないけど!
神様のクソジジイ!アホ!約立たず!
罰当たりなことを脳内でグチャグチャに引っ掻き回す。
「まって!おねーさん!」
コツコツとヒールを鳴らしながら無視して帰宅をしようとする私の腕を不意にグッと引っ張られた。
「ーっ。」
「あ!やっぱりーー」
「触らないで!!」
やめて!やめて!触らないで!嫌っ!
「えっ、ごめん!」
パッと離した私の腕を見つめるこの男には、私の震えには気づかれたくない!
「2度と話しかけないで。」
震えて力が入らない足に力を入れて歩きだそうとした。
