石井さんに連れてこられたのは女性が好きそうなイタリアンレストランだった。
「おしゃれですね。石井さんは来たことあるんですか?」
「いえ、通勤時に通りかかるんですが、気になってはいたんですけど中々男1人だと入る気にならなくて。今日は紅さんがいてくれたからやっと食べられます。」
柔らかく、ゆっくりとした言葉を話す石井さんはなんだか本当に嬉しそうに見えた。
そんなに食べたかったのかぁ。
店内を見渡すと確かにカップルと女性客しかいないようだ。
「紅さんはなににしますか?」
「あ、じゃあ明太クリームパスタで。」
