クイッとお酒を飲むジェスチャーをしながら茶目っ気たっぷりに石井さんが言うから断ることも出来ないな……。


「わかりました。私の奢りでいきましょう。」


行きたい気分ではないけれど。


「わー。うれしいな。紅さん、いつも飲み会とか来ないから。」


「あまりそういう場は得意ではないので。」


「うん。そんな感じする。」


にこりとしながら悪気なく言う石井さん。


「では、終わったら外で待っています。」


「了解しました。今日は頑張って早く終わらせます。」


「じゃあ私も頑張りますね。」


愛想笑いを浮かべて石井さんの目線がパソコンに移ったのを確認してから自分も仕事をはじめた。


なるべくゆっくり終わらせてやろーっと。