冷めないうちに。
と、口付けたコーヒーは猫舌の私には丁度いい温度で
タバコと一緒に味わった。



ふと時計を見るとあの電話から20分も経っていて
しかたないなと思いつつ重い身体で支度を始めた。



クローゼットを開けて適当に目がいった黒い膝上の丈のワンピースを着て
軽く化粧を直した。



やってる事は大した事じゃないのに何でこんなに時間が進むのは早いのだろう。



今日何度目かのため息をついて
マグカップを流しにおいて水につけ、黒いヒールに足を通して家を出た。