「ついたぞ。」


そう言ってリュウキが車を止めたのは普通のファミレスだった。


文句も別にないし素直に降りて店に入った。


席についた私はやっぱりタバコに火をつける。
夜中は大体のファミレスは喫煙室が設けられるから助かる。


「何食いたい?」


目の前でメニューをパラパラめくるリュウキ。


「コーヒー。」


「馬鹿か。そりゃ飲みもんだ。」


ゆっくりでいいから決めろ。とメニューを私に押し付け…渡したリュウキに渋々従ってメニューを見る。


…どれも、いらない。


「コーンスープ。」


「おねーさん…それも飲み物なんだよ…」


「チッ」


「舌打ちするな。」


本当に何も食べたくない気分なのに。



別に少食な訳じゃない。
ただこうやって、たまに何も食べたくない時期がくる。
精神的とかじゃなくてもうこれは体質の問題だ。


「………ない。」


「……。」


ーピンポーン


リュウキは諦めたのか呼び出しボタンをやっと押してくれた。