「着替えてから行く?」
「……面倒くさ。」
「お前、そこはうん。って頷くところだろ。」
困ったような呆れたような苦笑いを向けられた。
「面倒くさ。」
「…わかったよ。俺の上着貸してやるから。」
「ん。」
…持ってきてくれたのは、いくら夜がまだ冷えるからと言っても
これじゃ完璧に冬用だよっていうようなコートだった。
「あちぃ。」
羽織ってみてもやっぱり厚すぎる。
「Tシャツ1枚ならそれで良い。」
「あちぃ。あち、あち。」
「ふ。子供か。」
「大人の私が百歩譲って着てあげるわ。」
「ぷっ!それはありがとうございます!」
リュウキは笑いながら車のキーを持ったから私も足にいるウサギとバイバイした。
