ーガチャ。
リビングの扉を開けるとヤツは私の為にコーヒーを入れてくれたみたいだ。
「うーん。Tシャツだけってそそるよねー。」
なんて私をチラッと見ながらマグカップをテーブルにコトっと置いた。
「私はそのコーヒーの方が魅力的でそそられるわ。」
「……あれ?てっきり、そんなのいらないわ!!帰る!!って言われるのかと思った。」
「…コーヒーに罪はない。それから私の真似、二度としないで。気持ち悪い。」
本当に気持ち悪いヤツに言いながら
ソファーに申し訳なさそうに立てかけてあるカバンを見つけケータイを手に取り、とりあえず会社には体調が悪くて倒れていた。今日は休ませて下さい。と伝え電話を切った。
もともと見た目と反して身体が弱すぎる私の事は会社もよく知っていて、それでも私を受け入れてくれてる。
ほんとうに有難い。
だから仮病なんて初めて使ったけれど、ごめんなさいと思いながら、疑われずに良かった、なんて思った。
「悪い子。」
「誰のせいよ。」
んー。僕知らないよー!なんて可愛く口を尖らせたこの男。
言っておくけど、キャーかわいー。なんて私は思わないし、ごまかせないから。
