「おい。」
急に聞こえた低い声にビクッとする。
「なによ。」
「帰さねーよ。」
そう言ってガッと肩を掴まれたと思ったら首に手を回されてた。
油断した。
「……ンっ……」
不意に重なった唇を認識して、ああ、やっぱりか。なんて思いもした。
脳内に響く甘い水音に意識を持っていかれないように、せめてもの抵抗で握った手に力を込めて爪をくいこませる。
「…ンっ…ンっ…」
…クチャッ。
2人の間で糸を引いた唾液が官能的に魅せる。
「……。」
「……。」
わからない。
なんで私に構うのか。
ーーなんで……、そんな顔で見つめてくるのか…。
