「ここ。座ってどーぞ。」
案内されたリビングは言わずともやっぱり広い。
意外なのは黒でシックにまとめられた家具だけ。
ヤツが指さしたそれも真っ黒なソファーだ。
渋々座ると座り心地も良くて、お尻にフワッとフィットする。
「コーヒー飲める?」
私の顔を除きながらやつが言う。
「……ブラック……。」
「りょーかい。ちょっと待ってな。」
ダイニングキッチンとか言うところでゴソゴソと動き出したヤツを横目にため息をつく。
あー、今何時なんだろう。
携帯を確認すると今日はもうとっくに終わっていてまたため息をついた。
……。明日も仕事なのに……。
「はい。どーぞ。」
湯気が立つマグカップを渡してきた。
いい香りがするコーヒー。
だけど問題がある。
……。何でこれもウサギ柄なんだよ!!
あー、イライラする。
無言で受け取って無言で口をつけた。
礼儀がなってないとか言ったら殺す。
口の中に広がるほろ苦さにホッと…………、つけない。……。
ヤツがジロジロ見てくるから。
「見んなって言っただろーが。」
「言葉使いわるっ!」
「うっさい。ねぇ。灰皿ある?」
「え?タバコ吸うの?」
「……灰皿。」
