さよならは言わせない

ドアから少し顔を出して、話題の中心に目を向けると。

最初に”王子”と言った子は、表現力に乏しいのではなくて、とても的確に物事を表現できる子なんだと理解出来た。


「あれはイケメンっていうか、王子、だね」

「確かに」


花の冷静な言葉に、思わず頷く私。


キラキラオーラを振りまきながら歩いて来る男が一人。

この学校で見かけない顔だからとか、そんなことを全部とっぱらったとしても、あれが噂の王子に間違いないし、間違えようがない。

あのキラキラを頭にかけてもらったら、きっと空を飛べるようになるんだ。


彼はいわゆる最近の親しみやすそうなスッキリした顔の、悪く言えば地味な顔立ちのイケメンとは全然違った。

地毛ですって言われたら信じてしまいそうな違和感のない茶髪。

少し鷲鼻気味の高い鼻に、眉と目が近い彫りの深い顔立ち。

キリッとした眉と対照的に少しだけたれ目気味で、ふっくらとした形の良い唇は顔全体のバランスを上手く結んで上品に映る。


ハーフ系だけど濃すぎない、正統派の美形だった。


スラリとした長身に、少しだけ浮かべた微笑が優しそうだった。


この学校の男子と同じ種族とは信じがたいな。