さよならは言わせない

夏休み、祖父母が避暑地に行く時、小学校低学年くらいだった私も連れていかれた。

夜はパーティーをするから部屋で大人しくしていないといけなかったけれど、昼間は地元の女の子と遊んでいた。


・・・と、思ってたけど。

この写真の”地元の女の子”が伊織なら、彼は正しくは地元の男の子・・・?


いや、違う。

よく考えたら、あの辺りにあったのは、祖父母と同じような金持ちの別荘ばかり。

あの別荘が立ち並ぶところに、地元の子が紛れ込んだら、間違いなくつまみ出されていただろう。


「俺の存在自体は覚えていてくれたんだね」


クス、と笑う伊織にの笑顔があまりに綺麗で、柄にもなく顔が熱くなる。


「なんか、ゴメン」

「いいよ。もう俺が男だってわかってくれたでしょ?」


伊織が私の耳元に唇を寄せて囁くように言う。



どこかで黄色い声があがった。