アストライア魔法学校の編入生

「・・・中退なんていうのやめてよ。せんせ。」

「あー、

ごめんごめーん。

自主退学だったねー。」

「・・・あの、先生。いまなんて?」

「・・・えー?」

「ローゼンクロイツ学園を中退って、

この人が・・・ですか?」

「自主退学だってばー。そーだよー。

・・・それがどうかしたー?」

担任はやたらと、

''自主退学'' という言葉を強調する。

「・・・いや、そんな風に見えなくて。」

「・・・おい、お前今なんつった。

俺ができそこないにみえるってか?」

「・・・はい。」

魔子は即答する。

「・・・へぇー、言ってくれんじゃんかよ、会長。

おもしろくなりそーじゃん。」

彼は、ニヤリと不気味な笑みをみせる。

「・・・そんなことより、

あなた魔導師候補生の資格持ってるんですよね?」

興味津々に見つめてくる端正な顔立ちの魔子に、

吾羽は少し驚いたような表情を見せる。

「・・・おお。そうだけど?

・・・それが、そんな珍しいか?」

「・・・あのトップのローゼンクロイツを辞めてまで

もう破滅寸前のこんな最弱高校に来るなんて、

・・・どんな神経してるのかなって思って。」

「・・・ふーん。

お前ちょくちょく失礼なこと聞くやつだな。

・・・ま、そんなに知りたきゃ

俺がここに来た理由教えてやる。」

「・・・うん。」

吾羽は声のトーンを落とし、ゆっくりと言う。

「・・・それは、






この学校には巨乳が多いって噂を聞いたから。」

「・・・はい?」

予想外の答えに驚きを隠せない魔子をよそに、

吾羽は続ける。

「ロークロはみーんな貧乳、垂れ乳。

そんな胸に飽き飽きして、

そんで俺は、

巨乳美人が多いと噂のここアストライアに来た。」

呆れて言葉が出ない魔子。

そんな魔子に吾羽がもう一言。

「・・・会長顔だいぶかわいいし、

Fカップの巨乳ってとこだし、いいね。」

さらに、食い気味に吾羽が一言。

「・・・ねぇねぇ、このクラスでさ

一番巨乳なのって誰?

あ、もしかしてあの子?」

と、前の女の子を指さす吾羽。

「・・・ファイアーボール(火炎球) 。」

そう言った魔子の手には小さめだが、威力の強い

炎の球が浮かんでいる。

その球を魔子は吾羽をめがけて投げ飛ばす。

いきなりの出来事に驚く生徒達をよそに、 続ける。

「それがあんたの本気か。


・・・マヨール・マクレディ(吸い込め)。」

彼は、炎の球をいとも簡単に己の手に吸い込む。

「・・・な、なんていう力なの」

魔子の中でも威力の強い呪文を彼は

涼し気な顔のまま受け止める。

そして、こう言った。

「それが本気っていうなら・・・





会長、この学校も、あんたも、

一生強くなれねぇーぞ。」

一生強くなれない___

そんな言葉何回も言われてきたはずなのに・・・

言われ慣れたはずなのに・・・

吾羽に言われたその言葉が何故か



魔子の胸にグサリと深く刺さった。



・・・一方、吾羽の方は何事も無かったかのように、

カバンからメロンパンを取り出し、

呑気に、食べようとする。