この間の生徒会長選挙で、新たな生徒会長が決まった。背の高い、いかにも真面目そうな男の子。

 ここ数年は女子が生徒会長を務めていただけに、久々の男子生徒会長に、クラスメイトは湧き上がっていた。

 そのうち、各委員会の委員長も決まっていくだろう。

 新しい図書委員長は誰が務めるのか、正直気になっている。

(……正直、仕事の内容だけを考えると図書委員長は当たりなんだけど、面倒なものが多いから、はずれって見方もできる。特に、放課後の仕事はあってないようなものだから時間を無駄にしている気がする)

 放課後の図書室はひどく静かだ。

 その理由は単純で、ほとんど人が来ないからだ。

 この中学校の生徒は、例外を除きひとしく部活に入っている。

 部活に入っていない人は入らないだけの理由があるために、わざわざ放課後に図書室へ来ようとは思わないだろう。

 特に、部活を引退した3年生は図書室で受験勉強なんてする暇があるのなら、塾のひとつにでも通っているのだ。

 放課後の開館時間は16時~16時45分。

 人が来ない図書室にいる私は、この45分を自由にしている。

 カウンターにいればいいのだから、そこで宿題をしたり、受験勉強をしたり、息抜きに家から持ってきた小説を読んだり。

 時々、図書室にある本を勝手にとって読んだりしている。

 図書室は広くて、6人が3人3人で向かい合って使う机が8つもある。

 お昼休みには机は全部埋まってるから、放課後の静けさは、嬉しいような悲しいような気がする。