「とき。迎えの時間よ、準備してちょうだい。」 「は~い。雪姉さま、今行きますね。」 この子は山本とき。 私はときとよんでいるわ。私より三つ下の十二歳で私と同じ青山様の与力の娘。 「準備はできた?行きましょうか。」 「武人兄さまも、元輔兄さまも安明兄さまもお怪我されてないといいんですけど…」 私と同じことを考えるのね。 妹のような子だしね。私の考え方が移ったのかしら?