カーテンの間から現れた人物こそ、
私の最愛の、兄。
何ヶ月ぶりだろうか。
会いたくて会いたくてたまらなかった。
「お兄ちゃん!」
「夏!」
薬缶の火を消して、兄の元へ飛び付いた。
ーー否、飛び付こうとして、
後ろから強い力で腕を掴まれる。
強引な力で私を後方に追いやった新藤さんは鬼の形相をしていた。
「波木 秋(なみき しゅう) 」
彼は抑揚のない声で兄を呼び、
次の瞬間、飛びかかった。
兄に馬乗りになった新藤さんを見て、
とても嫌な予感がした。
乱暴に掴まれた腕がひりひりと痛む。
殺気を漂わせ、相手を射抜く鋭い視線。
ここに居合わせた彼は、刑事の顔をしていた。



