「今日、用事ができちゃったから先に帰ってていいよ、ごめんね翔」



そう言って申し訳なさそうに俺を除くあかり
どうせまた告られるんだろうな、なんて考えて出てきた嫉妬心を抑えながら昇降口で待ってるからいいよ、と返事をした



俺、水澤翔(みずさわかける)は家が隣で家族ぐるみで仲が良い幼馴染 七瀬あかり(ななせあかり)に恋してる




_____


「ごめんね、おまたせ!」



約15分後、あかりは申し訳なさそうにやってきた



「俺が好きで待ってるんだしいいよ、それにどうせまた告られてたんだろ?」




「な、なんでわかったの!?てゆーか、なんで翔がそんなにニヤついてるのよ」




なんで分かるも何も、学年一の美少女で有名な七瀬あかりを呼び出してまで話したいことなんてそれくらいしか無いだろう




「まぁ、幼馴染の勘ってやつ?」




「もう、何それー」




口元に手を当てて笑う君はとても可愛くて、
好きだな、なんて改めて思う




あかりは男子受けがいいからか、女子友達なんていなかった

かと言って、男子友達がいるのかと言っても男子はみんなあかりを‘恋愛’の対象としか見ていない

つまり、あかりの唯一の‘友達’になっている俺がそんなことを伝えたら、


きっとお前を困らせる


だからこの想いは伝えちゃいけない、そう思っていたのに


そう、この時までは