「優しい方だと……」

「ほう」

「困っている私に手を差し伸べて下さったんです」


彼との契約を守らないと。

彼はこの人のために私と契約結婚をすることを決めたんだから。


「では、君は海と何故結婚をしようと思った?」

また質問が飛んできた。


神島家の人達を見て、思ったこと。

会話が多くて、笑顔もあるし、冗談も言い合っている。

皆お互いを分かり合って、尊敬し合っている気がする。


だが我が本多家はというと、父の独裁政権に怯える桜と母。

私も面倒事を避けて本音を隠している。

私は父を尊敬したこともない。