Deal×Love

「海さんを誘って浴衣着てアピールしてみなよ！いつもと違う椿を見たら、押し倒したくなっちゃうって！」

アピール……

「……アピールして、海さんにスルーされたら……？一緒に住んでるから気まずくなる……」

「不安になっても仕方ない」

不安になっている私を宥めるように優しいトーンで言ったアリサ。

「椿の結婚はさ、好きから始まったわけじゃないじゃん。だから普通のカップルとは違うんだから」


そうだ。
私達の結婚は偽物だった。


「もうさ、椿は結婚してるんだから心配することなんてないじゃん。私なんて、洸を捕まえるところからなんだから大変なんだよ？」

アリサは腕を組んで不貞腐れたような顔をわざとらしく作って言った。


私達は偽物の結婚から始まった。

普通とは違う。

変に落ち込んでも仕方ない。