Deal×Love

その瞬間、指から全身へと緊張が走った。
一気に脈拍は上がり、体温は急上昇、身を捩る私。

すると海さんが私を見つめた。
優しそうな瞳で。


「主婦の手だなって思ったんだよ」

え?


「恥ずかしいなんて思わないでよ。俺の御飯作ったり、掃除とか洗濯とかで荒れたんでしょ?いつもありがとう」


その言葉をもらえると羞恥心なんて無くなった。

この手荒れが逆に誇らしくなってきた。

もっと貴方のために頑張りたいと思った。

思ったけれど……


「もぅ、離して、下、さい……っ」

私は先程とは違う羞恥心に耐えきれず、視線を外しながらモジモジ訴える。

だって海さん、ずっと私の指にキスしてる。

私は指に感じる感触に必死に耐えている。