Deal×Love

「どうかした?」

そんな親子を眺めていたら、海さんの声が飛んできた。

「いえ、ちょっと羨ましくなっちゃったんです……」

「何が?」

「私、こういう所に両親に連れてきてもらったこと無かったから……」


小さい頃は夢見てた。
父親に肩車してもらったり、家族で仲良く手を繋いで歩いたり。

私とアリサの両親は政略結婚。
私達が少女漫画にハマったのもそのせいかもしれない。
漫画は作り物の世界だけれど、お互い愛し合う状況に、愛に憧れを抱いているのかもしれない。


「うちの両親もそうだったらしい。だから自分達が親になった時、子供には同じ想いをさせたくないって思ってたって聞いたことある」

「そうなんですね」

幸せそうな二人だったから、小さい頃から幸せな家族の中育ってきたかと思い込んでいたから驚いてしまった。


「椿には俺がもうそんな風には思わせないよ?」

私ににっこりと微笑む海さん。


この人、今、さらりと物凄い台詞、言いましたよね……?


『ブブブブブ!』