お金を払い、食材を袋に詰めて車に戻ろうとすると海さんは「おいで」と手を差し出す。

昨日からこの海さんを体験して分かった。

彼は少しの距離でも手を繋ぎたがる。

今までこんな風に女性と付き合っていたんだろう。

他の女性をこんなにもドキドキさせていたことに勝手に嫉妬してしまう私。


「どうかした？」

嫉妬にまみれていると、突然目の前に海さんのドアップが。

「きゃあ！」

驚いた私は後ろに下がろうとしたが、手を繋がれているせいで下がれず、上半身を後ろに反らしている状態に。

「どうしたの？」

私がこんなにも動揺しているというのに、顔色一つ変えない海さん。

私だけが彼を好きなんだと痛感させられる。

「なんで悲しそうな顔になるの？」

すると私の心を見透かしているような質問が飛んできて、私は逃げるように視線を下に向けた。