Deal×Love

「椿は何か食べたいものある?」

私に晩御飯のリクエストを訊きながらショッピングカートを押す海さん。

「いえ、特には……」

「病み上がりだから力つくもの食べないとね。考えるよ」

男の人と付き合ったことがないから分からないけれど、海さんと居ると次から次へと提案してくれて私はついていくだけ。

「おやつにケーキでも買っていこうか」

大人な海さんだからだろうか。
どんどん引っ張っていってくれる。


家に帰ると、海さんがティータイムにしようと言ってくれた。
私はコーヒーは苦手だと伝えると海さんはキッチンへ入り、缶に入った紅茶の茶葉とポットを準備をしてお水を火にかけた。
私は自分で淹れたことすらなくて、海さんを尊敬するばかり。

「もしかして紅茶も自分で作ったこと無い?」

じーっと海さんの動作を観察していたら海さんが言った。