Deal×Love

やっと声が出てくれた。
大きな叫び声になっちゃったけれど。

そんな私を見て海さんはクスっと笑う。

「ということで明日君が元気になったら出かけようか。行きたいところ、ある?」

笑顔で訊かれて、私は左右に顔をブンブン振る。

「じゃあ行き先は俺が考えるね。だから君は頑張って風邪を治して、頑張って俺を落として?」

小首を傾げてそう言うと、彼は優雅にコーヒーを啜り出した。

私は呆然としたまま暫く動けなかった。

昨日から海さんが別人すぎるから。




海さんはそれから、昼食も晩御飯も作ってくれた。
朝のように一緒にテーブルに座ってくれて。

しかも一日中、家に居てくれた。

しかもしかも主にリビングに。

しかもしかもしかも、私に何かあったらいけないからねと。


……私、熱で頭がおかしくなっちゃって夢でも見てるのかな?
次の日起きたら夢でしたなんてオチかもしれないなんて考えていたら、いつの間にか眠っていた。