Deal×Love

自分から逃げたくせに、追ってきて欲しいなんて、矛盾してる……。

涙が更に溢れるのを感じた私は前方へと向き直すと逃げ込むように乗り込んだ。
すぐに一階のボタンを押すと横の壁に凭れ掛かる。

誰も乗っていなくて助かった。
だってこんな号泣してる人間と、こんな小さな空間に居たい人間なんていないと思うし。

さっき政略結婚だと聞こえた。

もしかしたら海さんは、彼女と同じように父に売られそうな私を見つけて、同情した彼は私を拾ってくれたんだわ……。

ドキドキして幸せな気持ちにさせてくれるのが恋だと思っていた。

でも実際は違うのね。

胸が引き裂かれるんじゃないかってくらい…いや、もう裂けて血が流れてるんじゃないかってくらい胸が痛い……。


エレベーターが一階に着くと顔をぐいっと拭い、俯いて誰にも顔が見えないように出口へとダッシュ。
ホテルの出入り口を通り抜けたら、走りすぎて胸が苦しくて。
息と涙を落ち着かせるためにホテルの花壇に座り込んだ。