「椿様、オヤツ食べられますか?シフォンケーキを焼きました」

ミトンをはめたひさ子さんの手の中には、熱々焼き立ての美味しそうなシフォンケーキが。

「頂くわ」

とりあえず糖分を取って落ち着こう……。


夜、海さんに誤解だと言いたかったけれど、海さんは私が起きている時間に帰って来なかった。

そして次の日の朝。
今日は土曜日。

リビングに行くけれど海さんは居ない。
耳を澄ませてみるけれど物音も聞こえない。
人の気配を感じない。

私はとりあえず服を着替えると、今日も朝御飯を温めて一人で食事を取る。
食べ終わると食器をシンクに入れて、顔を洗って、歯磨きをして。