始業式が無事に終わり、私達は教室に戻って来ていた。
今は自己紹介中である。
「次、宮本」
葵の番の次は私である。
「はい、宮本葵。趣味は小説を読んだり、書いたりする事。部活は文芸部に入ろうと思ってます。よろしくお願いします」
葵は立って自己紹介をして、最後に一礼をして席に座った。
「次、松下」
私の番だ。
ドキドキしながら席を立つ。
「はい、…松下美結です。趣味は絵を描く事です。部活は文芸部に入ろうと思ってます。よろしくお願いします」
言い終わった後、最後に一礼して席に座った。
その後も自己紹介は順調に進み最後の2人になった。
「次、千田」
その人は私の右側の人で、席を立ち自己紹介を始めた。
「はい、千田奏汰って言います。趣味は特にないです。部活はバレー部に入ろうと思っています。よろしくお願いします」
千田くんは、最後に一礼して席に座り、こっちを振り向いたと思うとニコリと微笑んで前を向いた。
私はその時、千田くんにこれから恋をするのだと知らなかった。