同姓同名のあの人は


今日は待ちに待った日曜日デートの日!

私はお気に入りの森ガール風の服に着替える。

鏡を見て髪を整え、服を整え変なところがないかをチェックする。

「これでよし!」

私はバックを持って下に行く。

「お母さん、行ってくるね!」

部屋の掃除をしているお母さんへ声をかける。

「はいはい、行ってらっしゃい。楽しんでくるのよー」

「はーい」

そして私は玄関から外へ出て時間には余裕があったのでゆっくり歩いていた。

私は10時丁度に待ち合わせの仙台駅のステンドグラス前に着いた。

奏汰くんはまだ来ていないみたいだった。

「メール打っとこう」

〈待ち合わせの場所に着いたので待ってます〉

とメールを打って送信した。

あれから2時間がたった。

「何かあったのかな…もう1回メール打っておこう」

〈何かあったの?遅くなってもいいから連絡ください〉

とメールを打って送信した。

それから10分後に奏汰くんからメールが届いた。

〈あなたが今日デートの相手かしら?私は奏汰の母です。奏汰は嬉しそうに出かけて行ったけど、途中で交通事故に巻き込まれて病院に搬送されたのだけどそのまま息を引き取りました。楽しみにしていたと思うけどごめんなさいね〉

私は自分の目を疑った、何度も何度も読み返したけど結果は同じ、奏汰くんは死んでしまったのだと分かった。

〈そうです、私がデートの相手です。奏汰くんが交通事故に合ったなんて信じられませんが、事実なのでしょう。お悔やみ申し上げます〉

私は震える手でそうメールを打って返信した。

私はここに居る意味がないと思い、家に帰る事にした。

家に着いて玄関を開けて、小さな声で「ただいま」と言った。

お母さんが音を聞いたのかリビングから出てきた。

「あら、早かったわね?彼氏さん連れてきたの?」

「お母さん、あのね…」

私は靴を脱いでお母さんの胸の中に飛び込んで静かに泣いた。

それから落ち着いた私はお母さんにさっきあった事を話た。

「あら、そんな事があったのね…辛かったわね」

お母さんは私の頭を撫でてくれた。





次の日。

私は学校に行く気が起きなかったが行く事にした。

そして私は自分の席に座って何もせずにいた。

「美結が絵描いてないなんて珍しいじゃない?どうしたの?」

葵が私にそう話かけてきた。

「うん、実は…」

「おーい、皆席に着けー、大事な話がある」

その時、担任が教室に入って来た。

「昨日、千田奏汰が交通事故でなくなった。葬儀は親族だけでやるそうだ。話は終わりだ」

そう言って担任は教室から出て行った。

「美結もしかしてこのこと?」

「うん」

「そっか美結辛いよね…」

葵が私の手を握ってくれた。

私はまた泣きそうになった。